
- どうして再建築できないの?
- 今建っている「家」はどうなるの?
- 再建築不可の家って購入して大丈夫?
- 再建築不可の理由
- 再建築不可をオススメできない理由
- 再建築不可のメリットや活用方法
どうも。
現役不動産営業マンのマツです。
「再建築不可」という物件を聞いたことありますか?
なんと、世の中には建物を再建築することの出来ない土地というのが存在するのです。
そんな土地誰が買うの?って思うかもしれませんが、値段が安いので結構注目されたり…
安いですが購入をオススメすることはできません!
今回は再建築不可のカラクリと買ってはいけない理由について解説していきたいと思います。

相続した実家が再建築不可だったなんて話もよく聞きますよ。
もくじ
再建築不可はどんな土地を意味するのか

再建築不可な土地とはどんな土地を意味するでしょうか?
建物を取り壊し更地にした後、新たな建物を建築することができない物件(土地)
再建築不可の名の通り、新しく建物を建築することができません。
一度古家を解体すると、新しい建物は建築できないので注意下ください。

逆に、再建築不可の土地でできることって何?
古家をリフォームなどで再利用することは可能です。
一度更地にしてしまうと庭やガーデニング用地、自転車やバイクの駐輪場としての利用などしかできません。
ちなみに…
再建築不可の土地を駐車場として利用するのはほぼ不可能です。
その理由は再建築不可になってしまう理由に隠されています。
再建築不可の理由は接道義務が原因

実は、建築基準法には「建築基準法43条接道義務」というものがあります。
- 建築基準法によって認定された「道路」に
- 建築物の敷地が2メートル以上接しなければならない
上記の2つの建築基準をクリアしていない土地はそもそも再建築できないというものです。
ポイントは、「道路」に「2メートル以上」というところです。
下の図を見てください。

土地Aは前面の道路に6m接道していると仮定します。
この場合、しっかり接道義務を果たしているので土地Aは再建築可能な物件と言えます。
一般的なケースなのでわかりやすいですよね。
土地Bはどうでしょうか?
形こそ歪んでいますが、こちらもしっかり2m接道しています。
つまり、土地Bも再建築可能な物件というわけですね。
- 土地の大きさや形は関係ない
- 接道が2m以上あればどんな形状の土地でもOK
- 接道部分を「間口」とも呼ぶ
再建築可能かどうかは前面が道路で2メール以上接道しているチェックすれば簡単にわかります。

さすがに、間口が2m以下だと車の侵入は難しいですよね。が駐車場として活用できない理由です!
わざわざ再建築不可にする理由


どうして再建築不可能なんてルールを作ったの?
再建築不可の理由は災害時の避難経路や緊急車両の搬入を考慮したためです。
間口が2mに満たない路地が存在する土地だと、救急・消防などの救助活動に影響が出ちゃいますよね。
こうした問題を避けるため再建築不可というルールが儲けられています。

再建築不可なのに中家が建っているのはどうして?
実は、接道義務が定められたのは1950年(昭和25年)からになります。
それ以前は、普通に建築することができました。
再建築不可なのにも関わらず、実際に家(古家)が建っているケースはほとんどがこの理由なんです。
再建築不可に潜む3つのリスク

再建築不可の土地を買っても大丈夫か良く聞かれます。
正直言えば、再建築不可の土地の購入は避けるべきと言わざる負えません。
その理由は大きな3大リスクが潜んでいるからです。
- 融資のリスク
- 売却のリスク
- 再建築できないリスク
再建築不可の物件は相場よりも安く手に入りますが、その分リスクも高いです。
しっかりと確認しておきましょう。
融資のリスク
再建築不可の物件は住宅ローンの承認が得られません。
再建築ができないというだけで、資産価値が大幅に目減りします。
そのため、物件担保評価が得られず融資承認がされないのです。
もし、再建築不可の物件を購入する場合は現金(自己資金)で購入すると思っておいた方が良いでしょう。
年収や自己資金割合では融資も可能かもしれません。ですが、大半の金融機関で無理だと思って間違いです。
住宅ローンの関連記事はこちら>>>
⇨【超重要】住宅ローンの選び方と審査基準を徹底解説!
売却のリスク
再建築不可の物件は売りたくても売れない可能性が高いです。
金額を大幅に下げたり建物をフルリフォームするなどしなければ、売却は難しいでしょう。
- そもそも需要が少ない
- 住宅ローンが使えない
現金を持っている人しか購入できないということでターゲットもだいぶ絞られます。
さらに、再建築不可そのものが人気ないのです…(笑)
将来売却を考えているのであれば注意してください。
家の売却に関する記事はこちらも参考に>>>
⇨注文住宅は中古だとホントに売れない?売却に失敗する5つの例を紹介
再建築できないリスク
そもそも「再建築できない」というのが最もやっかいなリスクです。
建て替えができないのでリフォームで修復していくしかありません。
室内や設備はきれいで最新で新築と何ら遜色のないものに仕上がります。
ただ、基礎や柱などと言った(主要構造部分)部分は、建築当時のものをそのまま利用します。
そのため、経年劣化による腐食や耐震性が脆弱であったりなどリスクが生じます。
購入する際は、慎重な検討が必要でしょう。
再建築不可を購入する2つのメリット


再建築不可の土地は圧倒的にデメリットが大きいです。
しかし、メリットがゼロというわけでもありません。
再建築不可の土地に存在するメリットをここで紹介しておきます。
再建築不可の物件は、なんと言ってもお値段が安いです。
需要が大きく落ちるので、相場よりも安くしないと売れません。
エリアや相場にもよりますが、物件によっては3割程度は割安で購入できるのではないでしょうか。
また、再建築できないということで資産価値も目減りします。
そのため、通常の宅地と比べて固定資産税(都市計画税)などの評価価格も低いです。
再建築不可の物件はこうした金銭面での恩恵が大きいと言えますね。


金銭面でのメリットがあるとは言え、圧倒的なリスクがありますので買うのはよっぽどの理由が無ければやめておきましょう。
土地探しに関する記事はこちら>>>
⇨タウンライフを使うと後悔する?口コミが本当なのか調べてみた!
再建築不可の活用方法




再建築ができない家ってどう活用していけばいいの?
再建築不可だと、どう活用すればいいのか困ってしまいますよね。
過去に実際あった活用方法としては以下のようなものが挙げられます。
- リフォームをして売却or居住
- 資材置場
- ガーデニング
- ドッグラン
- 駐輪スペース
最も多い活用方法は、やはり「リフォームして売却・居住」という方法です。
そのため、流通している再建築不可物件もリフォームをして販売されているケースが多いです。
それ以外だと更地にして資材置き場や物置などで活用するケースです。
特に、町工場や工場エリアなどではこうした利用方法もアリなのかもしれません。
中古物件に関する記事はこちら>>>
⇨中古物件を購入する時は4つの注意点を確認せよ!
【まとめ】再建築不可だと圧倒的にリスクが大きい


今回は、「再建築不可」についてまとめてみました。
「相続した土地が実は再建築不可だった」なんてケースもよくある話です。
再建築不可の物件を購入検討していなくとも、思わぬ形で再建築不可の家と向き合う機会があるかもしれません。
購入を検討する場合、まず再建築不可の家は購入しない方が良いでしょう。
メリット以上にリスクが大きすぎる
ローンも無理、躯体も古い、だけど安い、この条件だけでは到底オススメはできません。
こんな理由であれば、再建築不可を検討してもいいかもしれませんね。
いずれしろ、再建築不可の家とは相当なクセのある物件です。
素人なら手出し無用な物件ですね。